やさしい手のひら・前編【完結】

「ｷｬｯー亜美ちゃーん。こ、これ見て！」

入ってすぐ咲ちゃんが飛んできて、とても慌てていた

「どうしたんですか？」

「いい、びっくりしないでよ！」

「はい」

「な、なんと！由里と健太は優勝しました～～！」

「え？優勝？」

健太も私も頭の中が『はあ？』という感じで訳がわからなかった

「おまえらさ、わかってねぇだろ」

学くんまでも呆れた顔で私達に言った

「この間の、ﾍﾞｽﾄｶｯﾌﾟﾙの１位を獲ったんだよ」

「えっー！」

今頃やっとわかり驚いてしまった

「亜美すごい！」

由里も目を丸めて驚いている

「でねでね、優勝ｶｯﾌﾟﾙはもちろん沖縄だけど、まだ特典があるの。ｳﾌﾌ」

「それはね！雑誌の取材があるの！ｷｬｯー」

咲ちゃんは私達より嬉しくて喜んでいた

「沖縄ﾏｼﾞ嬉しいけど取材って何？」

健太が咲ちゃんに質問した

「詳しくは書いてないけど、写真撮ったり、質問に答えたり？だと思うんだけどぉ」

「まさか断るなんて言わないよね、健太！」

「亜美どう思う？」

健太くんは自分だけで決めないで私にもちゃんと意見を聞いてくれた

「うーん、沖縄行きたいかな」

ﾆｺｯと笑い

「沖縄行くわ」

「ほんと？」

咲ちゃんは目をｷﾗｷﾗさせて何度も『ほんと？』と、聞いてきた