やさしい手のひら・前編【完結】
なんかまだ私達が優勝したことが半信半疑だった

あんなにたくさんいたカップルの中からの優勝し、しかも沖縄旅行があるなんて嬉しいけど、本当なのかやっぱり信じられなかった

「健太達すげーよな」

と、祐介くんが感心しながら、雑誌を見ていた

「もぉ、うらやましい~祐介くん沖縄行きたぁい」

由里は祐介くんの腕を引っ張り沖縄のことをお願いしていた

「咲ちゃん、沖縄いつ出発なんですか?」

咲ちゃんに聞いてみた

「2週間後で、連絡ないカップルは辞退にするんだって。だから代表者の私がちゃんと連絡しておくから!」

咲ちゃんは任せなさいと、右手の親指を立てた

「亜美、沖縄行けるぞ。しかも三泊四日だからな」

私の顔見て健太が微笑んだ

「嬉しいっ」

祐介くんから見終わった雑誌を見せてもらった。写真の中の私は幸せそうに笑っていた。でもどう見ても、選ばれるほどの顔じゃない。健太は誰が見てもかっこよくって、写真の笑顔がさらにかっこよくて。私は足を引っ張っているような気がした

「亜美その写真すんげぇ、かわいいよな」

「ぜんぜんかわいくない」

「亜美をかわいくないって言う人いないだろ」

「なー、龍」

なぜか静かにしていた龍くんに聞いた

「うん」

「龍くんそんな無理に言わなくても…」

「かわいい」

「あ、ありがと」

なんか健太以外の人に言われることが恥ずかしくて赤面してしまった



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