やさしい手のひら・前編【完結】
沖縄の空港に着いた

「暑いー」

向こうと違って、沖縄はもう夏という感じで太陽の光が眩しくって私は片目を閉じた

「いい天気だねー」

田村さんが私に話し掛けてきた

「今日はいい写真が撮れそうねっ。亜美ちゃん、日焼け止め塗っておいた方がいいわよ」

「あっ、そうですね」

天気が良いため、水着の撮影はあるということを田村さんが言った。またそれを考えると憂鬱になってきた

4人でタクシーに乗り、ホテルへと向かった

「今日泊まるホテルはね、カップルにすごい人気なの。でね、窓から見える夕日が最高でね。ほんとはもうちょっとランク下のホテルだったのよ」

「それを田村さんが押したって訳っすよね」

そうだったんだ。人気の所にただで泊まれるなんて私達は幸せだな…そして田村さんに感謝しないと・・・そう思った

タクシーの窓からは吸い込まれそうなぐらい青い海が広がっていた。同じ日本なのにこんなに海の色が違うなんて・・・すべてのことを忘れてしまいそうなぐらい、この海に見とれていた



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