やさしい手のひら・前編【完結】
「健太起きてっー」

沖縄に来ても健太は起きられず、私に怒鳴られた

「起きるからー」

眠い目を擦り、そのまま洗面所へ向かった

私はベットのシーツを直し、健太にタオルを持って洗面所へ

「健太ぁ、タオルおいとくよ」

「亜美も入ろう」

「私は1時間前に入りました」

そう言ってまた部屋に戻り、昨日健太が脱ぎ捨てた服を片付けていた

10分ぐらいでお風呂から上がり

「ほら、早く着替えて!」

『はいはい』と、笑いながら着替えをし

「よし、あとは髪だけ。あっ、亜美、見送ったあとご飯まで、海散歩しよ」

「わーい!やったぁ」

「今、何時?」

「7時10分だよ!急がなきゃ」

私は健太から買ってもらった口紅を薄く塗り鏡を見て

「私出れるよ」

「俺もいいよ」

私の横に健太が近寄り

「今日もかわいい」

と、髪を撫で軽くチュッとキスをした。必ず毎日言ってくれる。もうずっと言ってくれているのに、私はまだ慣れず心臓がドキドキしていた

「行くか?」

「うん」

田村さんがいるロビーへ向かった



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