やさしい手のひら・前編【完結】

朝の海は空気も綺麗で気持ちがいい風が吹いていた。犬の散歩をしている人や、子供と走り回っている人、私達のように散歩をしている人など様々な人がいた

「まだ暑くなくて気持ちいいね」

「また泳ぎてぇ」

「あとから泳ごうよ」

「そうだな」

何もしなくても海を見ているだけで満足だった

3歳ぐらいの男の子が無邪気に走り回っていた。その姿を見て、いつか自分の子供とまたこの場所に来たいなぁ、と思った。その時私の隣に今と変わらず健太がいて欲しい…

「子供かわいいな。亜美、子供好き？」

「うん、大好き。幼稚園の先生になりたいぐらい！」　

「亜美が先生になったら、いつも子供達におちょくられてそう」

「もぉ、ひどーい」

「嘘。亜美らしい。亜美に幼稚園の先生合ってるよ」

そう言って、私の手を握り微笑んだ

「腹減ったから行くか？」

「うん」

ご飯を食べたら買い物に行くので今日はそれが楽しみだった