やさしい手のひら・前編【完結】
「帰るか?帰るなら送って行く」

凌は帰らせたい?

「帰った方がいい?」

一瞬考え込んで凌は、

「亜美の親に嫌われたくないと思ってる。本当はまだ一緒に居たいけど…」


「じゃあ、まだ居る!だって5時だよ!私も凌と一緒に居たいから」

私はムキになって言ってしまった
変な意味じゃなくまだ凌と一緒に居たいと本当に思ったから

「お前、かわいすぎ」

凌が座っている後ろから抱きついてきた

「帰る時になったら言って」

「うん、わかったよ」
まだ一緒に居れることがお互い嬉しかった

後ろから抱きついたままの凌は、
私の肩に顎を乗せてしゃべっている

それが私にはくすぐったくて、でも心地よくて・・・
時間が止まればいいのにと思った



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