やさしい手のひら・前編【完結】
「夏休みも今週で終わりだな」

私の肩で凌は言った

「めんどくさいね、しかも私達って受験生じゃん」

「亜美、どこ受けんの?」

「白樺高校だよ。この時期、塾も行ってないしね」

「じゃ、俺も白樺」

「そんなんで高校決めちゃっていいの?」

「俺は亜美のいる高校以外は行かない。亜美いないなんて、つまんねぇ」

「凌がいたら嬉しいけど…凌の人生が…」

「俺がいいって言ってるんだからいんだよ。亜美ちゃん」

凌はそう言って、私の背中にピッタリふっついてきた


「亜美~」

凌が甘えた声を出した

「キスしていい?」

「はぁ?さっきしたじゃん」

「またしてぇ」

そう言いながら、凌はあぐらの上に私を乗せた



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