やさしい手のひら・前編【完結】
「帰るぞ」
「待ってぇ」
「どっか寄ってく?」
「プリン食べたい」
「じゃあ、コンビニ寄って、うち行こう」
「うん」
凌の家の近くのコンビニに寄ることにした
下校時間のため、コンビニの中は中学生や高校生がいっぱいだった
「ちょっと見て見て!Blacksのこと載ってる」
コンビニに入った瞬間、中学生の会話が耳に聞こえてきた
「すごい決まったんだね。絶対CD買う!」
私は聞こえない振りをし、横を通り過ぎた
そして、プリンを手に取り、かごに入れた。さっきの話が気になったが、凌もいるし私はそのままレジへと歩いた
「俺が買うわ」
そう言って、私の手からかごを取りタバコと一緒にプリンを買ってくれた
「ありがとう」
凌は微笑み私の手を握り、外へ出て凌の家へ向った
さっきの話を凌は聞いていたのか知らないけど、健太のことは一切触れなかった
いつものように凌の家へ上がり、玄関で凌のお母さんとしゃべり、2階へと行った
凌は部屋に入りすぐテレビを付けた
「はい、プリン」
凌からプリンを受け取り、蓋を開けスプーンですくった時、
「映画の主題歌が決まったBlacksですが」
とテレビから聞こえてきた
私は、ハッと思いテレビを見ると健太達が写真で映っていた。みんな大人っぽくなっていた
少し痩せた
健太は顔がほっそりしていて、芸能人という感じがしていた。届かない人になったんだ、と改めて思ってしまった
この映画はかなりの力作で有名な人達がたくさん出演し、期待の映画らしく、デビュー作の曲を主題歌に使うことに決まったという話だった
私はすぐに目線をプリンに移し口へ運ぼうと思った時
「川崎さん達、芸能人になったんだな」
凌がテレビを見ながら言った。ついこの前までここにいたBlacksがテレビに映っていることがまだ信じられなかった
「これで売れたら、その先も売れるだろうな」
凌はタバコを吸いながら、じっとテレビを見ていた
「すごいよね」
「すげぇわ」
それ以上、健太達の話はしなかった
「待ってぇ」
「どっか寄ってく?」
「プリン食べたい」
「じゃあ、コンビニ寄って、うち行こう」
「うん」
凌の家の近くのコンビニに寄ることにした
下校時間のため、コンビニの中は中学生や高校生がいっぱいだった
「ちょっと見て見て!Blacksのこと載ってる」
コンビニに入った瞬間、中学生の会話が耳に聞こえてきた
「すごい決まったんだね。絶対CD買う!」
私は聞こえない振りをし、横を通り過ぎた
そして、プリンを手に取り、かごに入れた。さっきの話が気になったが、凌もいるし私はそのままレジへと歩いた
「俺が買うわ」
そう言って、私の手からかごを取りタバコと一緒にプリンを買ってくれた
「ありがとう」
凌は微笑み私の手を握り、外へ出て凌の家へ向った
さっきの話を凌は聞いていたのか知らないけど、健太のことは一切触れなかった
いつものように凌の家へ上がり、玄関で凌のお母さんとしゃべり、2階へと行った
凌は部屋に入りすぐテレビを付けた
「はい、プリン」
凌からプリンを受け取り、蓋を開けスプーンですくった時、
「映画の主題歌が決まったBlacksですが」
とテレビから聞こえてきた
私は、ハッと思いテレビを見ると健太達が写真で映っていた。みんな大人っぽくなっていた
少し痩せた
健太は顔がほっそりしていて、芸能人という感じがしていた。届かない人になったんだ、と改めて思ってしまった
この映画はかなりの力作で有名な人達がたくさん出演し、期待の映画らしく、デビュー作の曲を主題歌に使うことに決まったという話だった
私はすぐに目線をプリンに移し口へ運ぼうと思った時
「川崎さん達、芸能人になったんだな」
凌がテレビを見ながら言った。ついこの前までここにいたBlacksがテレビに映っていることがまだ信じられなかった
「これで売れたら、その先も売れるだろうな」
凌はタバコを吸いながら、じっとテレビを見ていた
「すごいよね」
「すげぇわ」
それ以上、健太達の話はしなかった