やさしい手のひら・前編【完結】
「言わないつもりでいたんだけど、亜美ちゃんには健太の気持ちわかってほしくてね」
「知って良かったです」
健太も追い掛けて来てくれた。それを聞いただけで十分だった
「オーナー、ありがとうございました」
「またいつでもおいで」
「はい」
私は頭を下げ、由里とライブハウスを後にした
「どうしてこんなにもすれ違うんだろうね」
由里が歩きながら私に言った
「運命なんじゃないかな」
巡り合う運命ではなく、すれ違う運命
この先、何年たっても私と健太は巡り合うことなく、お互いに違う道を歩んで行くんだろう
私の願いも届くことなく、私は違う誰かとまた恋に落ち、結婚して子供を産み、健太のことも記憶の中から薄れていくのだろう
健太、追い掛けて来てくれて、ありがとう…
「知って良かったです」
健太も追い掛けて来てくれた。それを聞いただけで十分だった
「オーナー、ありがとうございました」
「またいつでもおいで」
「はい」
私は頭を下げ、由里とライブハウスを後にした
「どうしてこんなにもすれ違うんだろうね」
由里が歩きながら私に言った
「運命なんじゃないかな」
巡り合う運命ではなく、すれ違う運命
この先、何年たっても私と健太は巡り合うことなく、お互いに違う道を歩んで行くんだろう
私の願いも届くことなく、私は違う誰かとまた恋に落ち、結婚して子供を産み、健太のことも記憶の中から薄れていくのだろう
健太、追い掛けて来てくれて、ありがとう…