やさしい手のひら・前編【完結】
次の日、とりあえず志望を『東京 短大』と書き提出した

家に帰り親にそのことを告げた

「東京ね・・・」

お母さんはちょっと寂しそうに言ったけど

「亜美が行きたいなら、それでいいわよ。ねっ、お父さん」

「亜美、自炊なんだぞ。一人でなんでもしないといけなくなるんだぞ。大丈夫なのか?」

「うん、大丈夫。自分でバイトするし」

「お金のことは心配しなくていいよ」

お父さんはそう言ってくれた。でも私はお父さんとお母さんの負担を少なくしたいと思っていた

「ほんとに一人暮らし大丈夫?亜美はご飯も作れるし、なんでも出来るから心配ないけど、寂しくないの?」

寂しくないと言ったら嘘になるけど、私はそれでも東京に行きたかった

「うん、寂しくない。由里も東京だし。凌もいるし」

「本郷くんも東京なの?」

「うん」

「そっか・・・亜美と一緒なのね。じゃあ寂しくないわね」

少しはお母さんも安心したようだった


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