やさしい手のひら・前編【完結】
じゃれ合いが終わり、時計を見たら、もう昼を過ぎていた

「飯食いに行こう」

凌がそう言ったので、私は

「マック食べたい」

と凌に甘えてみた

「うん、いいよ。俺は腹一杯になればいいから」

と言って、私の頭を撫でて布団から出て行った

着ていたTシャツを脱ぎ、裸のままタンスの中をあさっている

そんな裸の凌を見て、かっこいいと思ってしまった
こんな人を彼氏に持つ私は贅沢なんじゃないか、と思った

黙って見ていた私に気付き

「亜美ちゃん、マック行くんだよね?俺を見てないで自分も着替えようねぇ。なんだったら着替えさせてあげようか?」

「イヤッ」

私は昨日の服に着替えようと思いベットから立ち上がった

「あっち向いてて、絶対こっち見ないで」

私は見られたくないから必死に言った

「減るもんじゃねぇもん、いいじゃん」

「いや、減るから」

そんな言い合いをしながら、凌はあっちを向いてくれた



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