やさしい手のひら・前編【完結】
ゲームセンターに着いて、
凌は私の手を引っ張り中へ入って行った

何をするのかと思っていたら

「これこれ」

と言って、UFOキャッチャーにお金を入れた

「はあ?凌これやりたかったの?」

「そう」

と言ってゲームに真剣だ

「亜美これ欲しい?」

私の好きなキャラクター見ている

「なんで、知ってるの?私教えた?」

「だって、鞄にも携帯にも付いてるじゃん」

ちゃんと見てくれているんだね

「取れた~」

子供のような笑顔で私に『はい』と、
ぬいぐるみをくれた

「俺これうまいんだよな」

「大事に部屋に飾るね、ありがとう」

そう言ってぬいぐるみを抱き締めた

「さて、どうする?」

私の顔を覗きこむように聞いた

「私ん家来る?お母さんが連れておいでって言ってたんだよね」

「行っていいの?緊張する」

緊張しながらも嬉しそうだった

「うちのお母さんベラベラしゃべるけど、気にしないでね」

「どう挨拶したらいい?」

凌は自分の身なりを整えながらソワソワしていた


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