やさしい手のひら・前編【完結】
「ごめんね、いつもなんだ。私の友達は自分の友達と思っちゃってるんだよね」

「その方がいんじゃねぇ?俺はしゃべりやすいけど」

凌がそう思ってくれるならいいけど

「お前の部屋ピンクかよ」

部屋に入ってすぐ凌は言った

「かわいいでしょ」

私の部屋をジロジロ見ている

「ここ置くよー」

部屋の外からお母さんの声が聞こえた

私は飲み物を取りに行き、凌にグラスを渡した

「亜美ここおいで」

と、凌の隣に呼ばれ、私はちょこんと座った

「亜美、来月誕生日だな」

「知ってたの?」

「何欲しい?」

「急に言われても…なんでもいいの?」

「すんげぇー高いのはだめ」

「えっー!?」

わざと言ってみた

「嘘だよ。高い物なんていらないよ、凌がいてくれればそれでいい」

自分で言って恥ずかしくなった



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