やさしい手のひら・前編【完結】
ピンポーン

5時すぎインターホンが鳴った

部屋にいた私は急いで階段を降り、
玄関に向かった

ドアを開けると凌が立っていて、

「行こう」

いつもの右側で私に手を差し伸べてくれる

最近の凌はカップル繋ぎをするようになり、
その手を見ると私は心が和んでいた

「亜美がうち泊まんの2回目だな」

「うん。お泊りセット持ってきちゃった。凌のお父さんとお母さんはいるんでしょ?」

「今日は泊まりで温泉行った。って言うか俺が行かせた」

子供みたいな笑顔で笑う凌

「な、なんでよぉ」

私が口を尖らせて言うと

「二人だけでいたいから」

二人だけ?そんな恥ずかしい

「凌の親に挨拶したかったのに」

「また今度な」

そう言って私の肩に手を回した

「クリスマスに来い。ばばぁなんか作るって言ってた」

「ほんとぉ?嬉しい」

そんな会話をしながら凌の家に向かった



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