やさしい手のひら・前編【完結】
あれから二年が立ち、
私は3年生になった

また本郷とは一緒のクラスになれなかったけど、
由里とは同じクラスになれた

ある日、
由里が用事で一緒に帰れなくなり、
私は一人で帰ることになった

「やっぱ一人はイヤだなぁ…」

そんなことブツブツ呟いていたら

「お前1人?」

パッと振り向いたら、やっぱり本郷だった

「う…ん、1人」

「友達いないんだ?」

「しつれいなこと言わないでよ」

ほんとは声を掛けられたことが嬉しかった

なんでかわからないけど本郷は私に近寄り、
いろいろと話し掛けてきた

「なぁ?」

「えっ!何?」

突然私に話を振られてびっくりしてしまった

「お前さ~好きな奴いるの?」

あまりも突然で私はひどい顔をしているに違いない

恥ずかしくて、下を向いてしまった



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