やさしい手のひら・前編【完結】
お母さんは会話を聞いて笑っている
ヒヤヒヤした晩ご飯だった

ご飯を食べ終わり、ケーキも食べてお腹がいっぱいになった

「凌のお兄ちゃんはいつもあんな感じなの?」

「そうお調子者」

「似てないよね」

「似てなくてよかったよ」

仲が悪い訳じゃないんだけど性格が違うんだ

「耳見せて。痛くねぇ?」

「痛くないよ。凌は?」

「痛くないけど、なんか重いよな」

「今までなかったからね。お風呂入ったら消毒してあげるね」

「うん。じゃあ風呂入ってくるわ」

凌はタオルを持って下に降りて行った

ふと自分で耳を触ってみた
なんか変な感じで凌が言ってた通り重い感じがした
今日は右を開けたから次は左を開けたいな、と思った
ネックレスも偶然ピアスと同じクロスで
学校がある日はこのネックレスに指輪を付けようと約束した
いつ見ても私の左手の指輪は輝いている
シンプルな所が凌らしい。私は指輪を見るたびあの日のことを思い出していた

凌が上がり、私もお風呂から上がった



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