あにちゃん先輩


鍵を閉めて、時間を確認する。



「9時4分・・・駅まで走って5分電車20分駅から学校まで走って10分計算によると、ギリ間に合うか」

無理だ。それは全速力で走ってたらの計算であってそんな計算通りに行くはずがない。そもそも普通に走って5分持たない少女に、全速力でというのは無理がある。
少女は自分の体力的問題を考えずに鞄を持ち直しよし、と気合いを入れて走り出した。

少女は走りながら昨夜のこと考えていた。
夜、明日は入学式なんだと考えると緊張と不安で目が冴えて、結果3時過ぎくらいまで眠れなかったのだ。

(はぁー、こんなことなら昼寝なんかしなきゃ良かった)

反省をしているとすぐにやはりと言うか案の定、ハッハッと息を乱し、

(あ、やばい疲れてきたぞ。そろそろ体力切れの予感がする。計算ミスかな?)

確かに体力を含めなかった計算ミスである。それに気づくのが体力切れ間近である。彼女は相当のおバカさんらしいことが判明した瞬間だった。

でもまあ、なんとか駅に着き、電車の来る時間を見ると、絶望した。

なぜなら、電車は10分後にしか来れないからだ。

(わ、私の汗と体力と努力は何だったんだ。しかもこれ完全に間に合わないし、ははっ


あー、時間を30分くらい止められないかな。そしたら間に合うし)

などと軽く現実逃避していた。




< 3 / 6 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop