あにちゃん先輩
席につき30代の男性教師が入ってきた。
「おーい、静かにしろー」
ザワザワしていた教室は先生のそこ一言でしん、と静まりかえった。
それに満足そうな顔をして黒板に名前を書き始めた。
「あー今日から担任になる尾津 孝人(おづ たかひと)だ。お前らが俺の初めて受け持つクラスになる。至らない所があるが宜しく頼む。何か質問あるか?」
次々に質問があがりいくつですか、結婚は?など聞いていた。
「28で独身だ。あ、ちなみに彼女募集中な」
それを聞いた小春は密かに思う。
(ウソ。35歳に見えた。老けてるなー。あの無精髭のせいかな?)
失礼極まりない少女である。
「他に質問ないか?じゃあ今から委員長と副委員長決めるぞ。誰かやりたい奴いるかー?いないな、なら俺が決める。そこのお前とお前な」
ビシッと1人ずつ男女が指差された。選ばれた女子は嫌そうに顔を歪めていたが、男子は嫌だと言いつつも満更でもなさそうだ。
「んじゃお前ら司会進行よろしくな」
尾津は2人に丸投げした。きっと彼は重度のめんどくさがりだろう。近くのイスに座りさっさと始めろと目で言っている。
小春はそんな2人を同情の眼差しで見つめた。
そんなこんなで役員決めを終え、これからの学校生活について説明して今日は解散となった。