悲しいライオン
その群れは、美しい花の咲き乱れる高原を棲家としていました。
高原に近付くと、群れの子供達の楽しそうな声が聞こえてきます。
そしてその中心には、まだ若い一匹の雄ライオンがいました。
「あ! ママ、あのお兄さんが色々教えてくれるんだよ。」
子供達はその若い雄ライオンの元へ駆け寄ります。
「やぁ! よくきたな。
早速、狩りの練習だぞ!!」
「あのね、お兄さん、今日はママも一緒なんだ!」
「え?」
若い雄ライオンが振り返ります。
そこには、宝石のように美しい雌ライオンの姿がありました。