悲しいライオン

(なんて美しいんだ・・・)
若い雄ライオンは、思わずその頬を染めます。

雌ライオンは、僅かに小首を傾げると、若い雄ライオンに近付いて行きました。

「昨日は、子供達がありがとうございました。
今日は、そのお礼に参りました。」


「いえいえ、僕は自分が楽しくてやっているんですよ。
今日も、どうぞ遊ばせていってください。
ここは、誰もが仲間なんですから・・・。」


「でも・・・」


「あなたは、そこで休んでいるといい。」


若い雄ライオンは艶々の鬣を靡かせてその身を翻すと、子供達を誘って大きな輪を作り始めます。

「さぁ、狩り遊びを始めよう!」

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