悲しいライオン
若い雄ライオンと子供達は、身をピョンピョンと躍らせながら、遊び始めます。
若い雄ライオンは、巧みに子供達をリードしながら狩りの仕方を教えていきます。
(あんなに楽しそうなあの子達を見たのは、初めてだわ・・・)
雌ライオンは目を細めます。
そして、自分の心も自然に躍りだすのを感じていました。
気付かないうちに、足がリズムを取っています。
そんな雌ライオンを見て、若い雄ライオンは思わず声を掛けました。
「もし・・・、よかったら、あなたも一緒にいかがですか?」
もともと子供が好きで、体を動かすのが好きだった雌ライオンは、少し躊躇いながらもこう言っていました。