悲しいライオン
ハイエナは気配に気がつき、振り返って雄ライオンを見ると、ニヤリと嗤います。

「な、何を嗤っているのだ?!」

雄ライオンは吼えました。


「あんた、あの上の方に住んでるヤツだろ。
サバンナの宝石も、今じゃ形無しだな。」


「何の話だ?!」


「へへ。 知らないのかい?
あんたのとこの奥さんと子供の話だよ。」


「何を言っている?!」


「ここんとこ毎日、隣の群れに遊びに行っては、若い雄ライオンに遊んでもらってるって、もっぱらの評判だよ。」
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