悲しいライオン
もともと、一匹で過ごしていた時間が長かった雄ライオンは、コミュニケーションをとることが苦手でした。
子供達に、仲間が必要だと分かっていても、新しい仲間を作ることなど、雄ライオンには出来なかったのです。
雄ライオンは、雌ライオンと子供達を、自分が知っているとっておきの場所へ連れて行ってみたりもしました。
でも、雌ライオンと子供達の顔は、疲れて沈んでいくばかりでした。
(俺は・・・、どうすればいい・・・)
雄ライオンは悩みました。
悩んで、悩んで、一つの答えを出しました。
(ここを、出よう。)