悲しいライオン
子供達が遊びに行った後、雄ライオンは雌ライオンに言いました。
「どうか、幸せになってくれ・・・。」
雌ライオンは、涙を流して尋ねました。
「ねぇ、あなた・・・
どうして、あなたは、ここを・・・」
「君の目がもう僕を見ていないと・・・分かったからだ。」
雄ライオンはそう言うと、その背を向け棲家を後にしました。
サバンナに消えていく雄ライオンの後姿には、かつての輝きはありませんでした。
そこには、長い狩りの疲れと数々の傷だけが残っているばかりでした。