悲しいライオン

雄ライオンは、そのままばったりと地面に倒れました。

薄れていく意識の中で、あの美しい雌ライオンと二匹の子供達の姿がぼんやりと浮かびます。

その姿は、以前と変わらず美しく、明るく輝いていました。

(ああ・・・、良かった。
あいつらは、幸せにしているんだな・・・)

雄ライオンは、僅かに口元に笑みを浮かべながら、そのまま動かなくなりました。


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