悲しいライオン
Ⅳ.
そんな時でした。
子供達が、雌ライオンの元へ嬉しそうに駆けて来ました。
「ねぇ、ママ!
向こうの高原に新しい群れが来たんだよ!
僕たちね、今日、そこへ遊びに行って来ちゃった!」
子供達は意気揚々とその群れの事を話します。
そこには子供達が沢山いて、みんなで楽しく遊んだ事、その中には優しいお兄さんライオンがいて、子供達に色々な遊びを教えてくれたこと・・・。
「ダメじゃないの!!
そんな、知らない群れに行っては!!」
雌ライオンは怒りました。
「でも、ママ、ほんとに楽しい所なんだ!
来ればわかるよ。」
「そうよ! ママ、一緒に来て!」