極悪彼氏
元カノと狂気
【夢羽】



コタローとゲンさんから美里に気をつけろと言われ、正直ムカついた。



3割しか女がいないこの学校で、超イジメられてるあたしに唯一できた女友達。



それを否定された気がしたから。



だけど、あたしが間違ってたと気づくのはすぐだった。



気晴らしに美里に連れられて遊びにやってきた。



あたしがよくわからない場所にある美里の家に、躊躇なくお邪魔したの。



「久しぶり、鈴原さん」

「なんっ…」

「琥太郎、元気?」



コタローの彼女がいる…。



ここは…誰の家なの?



「座りなよ」

「あたし帰ります」

「帰すわけないでしょ?ただじゃおかないって、忠告したんだから」



あの時も見た狂気に満ちた笑顔に背筋が凍りそう。



あたしが突っ立ってたら、急にドンッと背中を押された。



「ごめんね、夢羽」

「美里っ…」

「騙したわけじゃないよ?夢羽が何も聞かなかったんだもん」



コタローの言葉を信じればよかった…。



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