極悪彼氏
そっからは一瞬だった。



あたしの上にいた男を引きはがして、後のふたりも1発。



それでも気が済まないのか、引きはがした男をボッコボコ。



「コタ、やめとけ」

「ゲンジ、この制服どこだ?」

「黒北だろ。確か神田が仕切ってる」

「明日潰すか。黒北なら同盟組んでねぇからな」

「冷静になれって。それより…ムーがあり得ないほどセクシーだな」

「…………夢羽、起きて羽織っとけ」



ポイッと渡されたコタローの着ていたブレザー。



それでボタンがなくて閉まらなくなった前を隠した。



あたし…コタローに助けられた…。



ウソみたい…。



「やっぱりこの子と関係あったんだね、琥太郎。二股だったわけ?」



元カノがコタローにそう言った。



チラッと元カノを見たコタローが発した言葉。



「お前、誰だよ」

「なっ!!」

「俺の夢羽、傷つけたのはお前か」

「ふざけないでよっ!!」

「テメーがな。人のもん勝手に傷つけといて謝罪もねぇのか?」



あたしは…コタローの…?



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