極悪彼氏
目が覚めたらコタローの部屋にいた。



あたしが寝てたベッドに寄りかかり、カクカクしてる…。



眠ってるのか…。



「夢羽ちゃん、起きた?」

「えっ…?もしかして…梶君…?」

「おぉ!!覚えててくれたかぁ~!!久しぶり」

「すっごい久しぶっ!!いったぁい…」

「ムリして起きなくていいから。傷、縫うほどじゃないって」

「そうなの?」

「ムリしすぎなんじゃねぇの?」

「してないよ!!」



懐かしい…。



梶君はお兄ちゃんの親友だった人。



大人になってる気がする。



「そんな顔で家帰ったら、あの娘大好きなオヤジがビックリするだろうから」

「そうだね…」

「1週間、渚んちにいることにしてもらったからな」

「梶君…ありがとう…」

「夢羽ちゃんも物好きだな~…。何もこんなヤツに関わんなくたっていいじゃねぇか」



だって好きになってしまったんだもん。



絶対お兄ちゃんが引き合わせたんだろうし。



もう手遅れだよ。



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