極悪彼氏
【琥太郎】



やっぱり夢羽は違う。



ほかの女とはぜんぜん違う。



ガッチリ抱きしめて目覚める朝。



夢羽も慣れたのか、暴れずにスヤスヤ眠る。



傷だらけだった顔が少しまともになった。



コレなら家に帰れんな…。



ってか帰さなきゃダメか?



ケガしてからの1週間、24時間四六時中一緒にいた。



学校にも行かず、部屋でずっとゴロゴロ。



「コタロー…?起きたの?」

「ん、まだ寝る…」

「ご飯…作らなきゃね…」

「いらねぇ…。逃げんな…」



1週間のうち、2日目で片時も離したくなくなった。



常にそばに置いときたい。



異常なくらいくっついてたい…。



「今日帰るから」

「ダメって言ったら?」

「パパが泣いちゃう」

「だよな…」



帰さなきゃダメか…。



夢羽がいない空間で俺がどうなるかわかんねぇけど。



「ヤりてぇな…」

「はいっ!?」

「夢羽の中に入りてぇ」

「ちょっ、冗談でしょ…?」



あんなことがあったのにできっかっての。




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