極悪彼氏
だけど今までは誰でもよかった。



今は夢羽がいい。



ってか、夢羽しかいらねぇ。



殴られて切れた目の上の傷にキスした。



もっともっと俺の中に取り入れたい気分。



俺で狂っちまえ…。



「コタっ…」

「何もしねぇよ…」

「うん…」



背中に回ってくる小さい手は暖かい。



もっと俺にくっつけ。



俺しか見なくていい。



夢羽の全てになりたい。



「明日から学校行きたくないなぁ~…」

「あの女のことは気にすんな」

「うん…」

「もうお前に手は出させねぇ」

「コタロー…」



クリーニングに出していた血塗れだった夢羽の制服を取りに行き、帰る前に着替えた。



消えたと言っても、痣は残ってる。



俺がやらなきゃいけないケジメだ。



「送る。被れ」

「バイクで行くの?」

「ゲンジと違って安全運転だ」



夢羽の頭にメットを乗せた。



顔が小さいので、乗ってるメットがキノコみてぇ…。



< 112 / 480 >

この作品をシェア

pagetop