極悪彼氏
お茶でも飲んで行けと言われたけど、今の俺にはちょっと限界。



「帰ります」

「そっか、また来てやってよ。想羽も喜ぶから」

「はい」

「ねぇ、ここだけの話、夢羽とはどんな関係?」

「…………もう傷つけさせませんから」



そう言ったら夢羽の顔が赤くなった。



誰だって自分のもんをボロボロにされたら嬉しくねぇだろ。



今の夢羽、枕から綿が飛び出すぎ。



「そっかそっか!!任せたからな~!!」



やたら上機嫌になった母親にまた頭を下げて家を出た。



外まで見送ると、出てきた夢羽は拗ねたような顔。



「コタロー、意味わかんない…」

「意味わかんねぇのはテメーだ」

「何であたし!?」

「何むくれてんだよ」

「わかんないの!?」

「わかるわけねぇだろ」

「だから…あたしとコタローの関係が不明確って言うか…」

「…………お前の慌てふためく姿、ぜってぇおもしれぇよな…」

「はい!?やっぱりコタローって意味わかんなっ…」

「明日、迎えに来る。朝に電話で起こせ」

「は…い…」



一瞬だけキスしてやった。



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