極悪彼氏
それに、1週間熟睡できたおかげか、かなりスッキリしてる。



「ムーってすげぇな」

「そうだな」

「ずっといたのか?」

「いた。食おうかと思った」

「食ったらいいだろ。好き同士なんだから」

「は…?」

「うわっ…、気付よ…」



誰と誰が好き同士だと?



夢羽と俺か?



「アイツは俺んだ。モノ、枕、小動物」

「お前マジで?気づかねぇの?自分がなんでムーに構うか、わかってねぇの?」

「落ち着く、安眠」

「好きだからだろ」



俺が夢羽を好き?



何言ってんだゲンジ。



「どこをどう見りゃそう見えんだ」

「どっから見てもそう見えんだけど」

「…………帰る」

「お前、少しよく考えろよ?コタが女と1週間もふたりで引きこもるなんて正常だと思ってんのか」



確かに…。



俺って夢羽のこと…そんな風に思ってんのか…。



スゲー…。



「でもそんなこと言われてもよくわかんねぇ」

「夢羽のこと、よく考えろ」

「ん~…」



俺にもそんな感情があったのか…。



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