極悪彼氏
甘味と親父
【夢羽】



心ここにあらず。



最近のコタローには翻弄されっぱなし。



いや、彼は最初からあたしを振り回しまくってた。



「似合ってねぇから!!」

「別れろよチビ!!」



コタローたちが学校に来てない日、久しぶりに呼び出された。



それでも上の空で。



「コタローがあたしを好きなんだって…」

「そんなこと聞いてねぇよ!!」

「なんで!?ねぇ、何でだと思う!?あたし、なんかした…?」

「意味わかんねぇから。マジ、消えてほしいんだけど」

「ななななっ、殴らないで!!コタローがキレたらあなた達に何するかわかんないから!!」



ってのは本当に相手の子達を心配してのこと。



なのにどうやら彼女達はあたしがコタローにチクる的なニュアンスにとらえたらしい。



「マジムカつく!!」



そう言って近くにあったゴミ箱を蹴った。



散乱したゴミと、取り残されたあたし。



殴られずに済みました…。



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