極悪彼氏
【琥太郎】



最近は夢羽なしでもゆっくり眠れるようになった。



だけどコイツがいるともっと眠れる。



「離してよぉ~!!」

「離したらいいことあんのかよ」

「ある!!あるかも…」

「言ってみろ」

「夢羽ちゃんが肩もみしてあげよう!!」

「バカか、テメー」



ヒマになる度、夢羽を家に呼ぶようになった。



不思議なもんで、コイツが来たらくっついてたい。



現在、ソファーで暴れる夢羽を押さえてる。



「暴れねぇで納まっとけ」

「コタローは何であたしの気持ちとか察してくれないの?」

「あ?」

「ドキドキするじゃん!!あたしだって恥ずかしいじゃん!!離せ~!!」

「いてっ…」

「あっ、ごめん。爪が…」



にゃんこに引っかかれた…。



まだ主人が誰なのかわかってねぇのかよ。



「ムカついた。かじる」

「ヤダっ!!コタのバカ!!ほら、ケータイ鳴ってる!!」

「誰だよ…」



ケータイを確認してすぐに電源を切った。



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