極悪彼氏
次の日の朝の目覚めは最悪。



「コタコタコタコタコタ~!!」

「なんだよ…、うっせぇな…」

「このカワイイの彼女!?顔ちっちゃ!!寝顔超カワイイ!!」



あれ…?



この声…。



夢であればいいと願い、一気に目を開けた。



「起きたか、我が息子」

「いや、ありえねぇ。ひとんち勝手に入って寝顔観察とか、マジありえねぇ。夢だな」

「現実っ!!」

「鬱陶しいもんな、コイツ。現実なら俺の気を引かずにそっと寝かせておくはずだ」

「琥太郎が電話に出ないから来たんだぞ」



そんなやりとりで、隣の夢羽がモゾモゾと動き出した。



パチッと目を開け状況確認。



「コタロー、なんでゲーノージンがいるのぉ?」

「夢だ」

「そっかぁ~。夢羽ちゃん、まだ寝るぅ…」



一瞬起きあがった夢羽は俺の上に乗っかるように抱きついて来てまた目を閉じた。



猫みてぇ…。



コイツ、カワイイな…。



「何この生き物!!マジカワイイ~!!」

「コタロー、ゲーノージンがうるさぁい…」



うるせぇな。



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