極悪彼氏
長い髪を撫でて、夢羽を横にずらした。



朝からマジで鬱陶しい…。



起き上がり、リビングに行くとオヤジも着いてきて。



ニッコニコのオヤジにイラッ…。



「なんだよ。何でくんだよ」

「ヒマになったから息子の顔見に来たんじゃん。ぜんぜん帰って来てくんないし」

「帰れっかよ。アンタの彼女、俺のこと知らねぇのに」

「別に僕はバレたって構わないってば」



キレイゴトばっかり抜かしやがって。



火を着けたタバコをふっと取り上げられ、余裕の顔で煙を吐き出した。



いつ見てもムカつく顔。



「こんなの吸ったらいけないよ?まだ18なんだから」

「17にもなってねぇよ」

「そうだった?」



自分の息子の歳もわからないくせに。



気まぐれで構われるのがいちばん嫌いだ。



ガキの頃から…嫌いだ。



「久しぶりの長い休みがとれたから琥太郎と旅行でも行こうかと思ったんだけど」

「行くわけねぇだろ」

「断られると思った~…」



早く帰れっての。



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