極悪彼氏
どうやら帰る気はないらしく、ソファーに座ってタバコの続きを吸い出した。



「そうそう!!あの子コタの彼女!?」

「関係ねぇだろ」

「気になるじゃ~ん…」

「気にすんな」

「超カワイイね。僕と同じで面食い?」

「うるせぇよ」

「昔はもっと可愛げあったのになぁ~。クマさんとか抱っこしてて」



いつの話してんだコラ。



クマさんなんて抱っこしてた記憶ねぇよ…。



「アイツが起きて来る前に帰れ」

「ヤダよ。挨拶したいもん」

「バカか。今ならアンタがオヤジだってバレねぇから帰れ」

「寂しいこと言うなよ~…」



何を今更。



熱があったって、夜中にひとりだったって。



気にせずに仕事に行ってたヤツが今更オヤジぶってんなよ。



「おはようコタロー…。今日は早いね…」

「夢羽っ…」

「アレ…あたしはまだ寝てるの?芸能人がいる…」



ニコッと笑って夢羽に手を振るオヤジはご機嫌。



夢羽もニコッと笑い返してから頭を下げた。



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