極悪彼氏
まさかの発言に周りが一瞬凍った。



ずいぶんパンチの効いた女だな…。



「あはははっ!!頭大丈夫かよ!!」

「痛いよ!!」

「違う意味のいてぇだろ~!!」



大爆笑の渦の中、髪を離すと数本抜けていた。



扱いに困る女だな…。



助けを求めるようにソファーの方を向くと、足をバタバタしながら笑い転げてるゲンジ。



ツボったか…。



「離してやれ…」



そう言うと腕を放された女はペタッとその場にしゃがみ込んだ。



ムカつく女…。



「誰が座れって言った?」

「仕方ない。あんたが怖くて腰が抜けた」

「えっ…」



いや、そんなこと言われても…。



深いため息をついたソイツに駆け寄るイズルとツキト。



コイツらはカワイイポジションは自分のもんだとか言って競い合ってる。



仲はよくない。



とにかく顔はアイドル級。



でも性格はひどく歪んでいる。



「ねぇねぇ、どこに売り飛ばす?」

「それは可哀想だからみんなで食べちゃうってどう?」



出た、カワイイ顔した鬼。



< 15 / 480 >

この作品をシェア

pagetop