極悪彼氏
そろっちゃったよ…。



「イズルにおいしいとこ持って行かれんのだけはヤダからね」

「ツキト、俺はまだ何も言ってねぇぞ」

「えっ?俺、なんかしたっけ?今のは手が滑っただけだよ~」



イズルとツキトは手が早い。



外見はカワイイくせにバカみたいに強いふたり。



ガキの頃から仲が悪いからケンカして鍛えたんだとか。



「テメー…、ナメたことしてんじゃねぇぞ…」

「うるさいよ、チョビ」

「チョビ…」

「そのヒゲむしり取ってマツゲにしてやろうか」

「何わけわかんねぇこと言ってんだよ!!」

「僕たち相手に勝てると思ってんだね。クソが」



一瞬で片づいてしまった。



俺、見てただけ…。



「つまんねぇな…」

「えいっ!!」

「がっ…」

「痛いんでしょ?ムリしないで頼ればいいのに」

「う"ぅぅ…。ツキ…殺す…」



バシッと叩かれたアバラが…。



お前らが思ってるよりいてぇからな!!



あぁぁぁぁ~…不覚だ…。



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