極悪彼氏
いつもなら俺だってやり返した。



眠かったし、たぶん朝から具合も悪かったんだと思う。



それにあの人数。



やられっぱなしで終わったのが気に入らない。



「相当だせぇわ…」

「そんな時もあるって。僕にはないけど」

「うるせぇよ、イズル…」



痛みはマシになったので、学校へ来たものの…。



夢羽はまだ呼び出してない。



そんな夢羽が怒った顔で俺のいつもの教室に現れた。



「ふざけんな、バカコタ」



プクッと膨れた顔。



周りに何人もいるのに気にならないらしい。



俺が座るソファーに座り、どうやら睨んでるらしい。



「うっざ…」

「約束守んなかったコタローが悪い」

「はいはい、わかったから」

「ちゃんと言葉にしてよね」



バカじゃねぇの。



1年もいるっつーのに。



でも夢羽は許す気はないらしい。



引き寄せて耳元で囁いた。



「彼女にしてやるよ。だけど逃がす気ねぇから」



顔が真っ赤になったのはいつものこと。



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