極悪彼氏
俺って夢羽に甘いと思う。



でもコレだけは大事にしてやりてぇ。



「デートとかしなきゃダメなんだよ…」

「あぁ」

「優しくしなきゃダメなんだよ?」

「十分優しい」

「超好き?」

「…………うるせぇヒヨコ」

「むぅぅぅ~!!」



ムニュッと掴んだ夢羽の柔らかい頬。



別れんのなんかぜってぇヤダ。



離してやるもんか。



「イチャイチャしてんじゃねぇよ」

「ゲンさん!!」

「3年になにしたんだよ、ケガ人。躍起になってんぞ」



やったの、俺じゃねぇし。



イズルとツキトは楽しそうにしてるけど。



今の状況で戦争はごめんだ。



「休戦だって伝えて来いよ。復活したらぶっ潰すって言っとけ」

「俺が行くのか!?」

「俺が出たらまた揉めんぞ」

「はいはい、コタは女にうつつ抜かしてるってのも付け加えといてやるよ~」



そう言ってゲンジは教室を出て行った。



夢羽はもう嬉しすぎるらしい。



俺なんかの何がいいんだか…。



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