極悪彼氏
そんな姿にまで愛着みたいなものを感じ、帰りには初めて手を繋いだ。



自分が自分じゃないみたいで笑えてくる。



嬉しそうに隣を歩く金髪のチビが究極にカワイイと感じて。



どうやら俺は本当にこいつが好きらしい。



「下手なことしたら想羽さんに怒られんな…」

「なんか言った?」

「荷物ぐらい持つって言ったんだよ」

「ダメ!!悪化したら困るもんね」



夢羽はふたりになると少し違う。



他のヤツがいる時にはしない顔を見せて、話し方もムリをしてないような感じ。



きっと俺といる時の夢羽は素なんだろう。



「ただいまぁ~!!久しぶりに夢羽ちゃんお邪魔しま~す!!」



まさに小動物…。



でもわかってんのかね、このチビ。



俺とお前の関係が1つ前進したって。



「お前、何で俺の彼女になりたかったわけ?」

「コタローに愛されたくて!!」

「どんな意味かわかってんのかよ」

「ん?もっと好きになってもいいってことでしょ?」

「お子ちゃまな脳みそは今すぐ捨てちまえ。いつでもお前を好きにできるってこと、忘れんなよ」



真っ赤な顔はそのまま冷蔵庫のドアに隠れた。



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