極悪彼氏
さすがに折れたらいてぇ。



いつもは普通にできてることができず、片手でシャンプー。



現在左腕があまりあがらない。



もう少しすりゃあきっとよくなるだろうけど。



恨みが増したな。



シャワーを浴び終えて部屋に戻ると夢羽がソファーに座っていた。



「煮込んだら終わりだからね」

「ん」

「あのね、あの…」

「なんだよ」

「痛いの治ったらいっぱいくっつきたい…」



は…?



何言ってんだよ…。



ヤバい、まともに顔が見れねぇ…。



髪を拭くふりをして顔を隠した。



「あたしコタローのこと、たぶんいっぱい好き…」

「…………」

「聞いてる!?」

「ムリ…」

「なにが…?」

「今…ムリ…。ちょっと構わねぇで…」

「顔…赤い…けど…?」

「赤くねぇ。ふざけんな。お前はバカか」

「ふふっ…」

「襲うぞテメー」

「大好き、コタロー」



カラダ全部が熱くなった。



本気で守りたいものができた日、片手で片側に夢羽を抱きしめた。



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