極悪彼氏
うまく逃げたと思った。



なのに…。



「ムー~…。頼むから小田切さんのとこに行ってくれ~…」

「ムーさん次第で俺たち、不条理な暴力を受けなきゃならない」

「頼む~…。5分以内なんだよ~!!」



カケルとモヒ君となっちゃんが土下座。



なっちゃんなんてカバン取ってくれたいい人なのに!!



でもコタローならやりかねない…。



「頭上げて。あたしは友達を危険にさらすくらいなら自分が犠牲になるよ」

「「アネゴ~!!」」

「行ってきます」

「「頑張れよ~!!」」



みんなに被害が及ばないように走って向かったさっきまでいた教室。



中にはコタローひとりと言う最悪の状況。



「カケルとかに頼むのは卑怯だからね!!」

「黙ってこっち来い」

「行きますよ!!行けばいいんでしょ…」



渋々コタローの隣に座った。



肩に回った腕に引き寄せられて。



「お前は俺に会いにここに来てたんじゃねぇの?」



耳の近くでそんなこと言われたら…溶けそう…。



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