極悪彼氏
風呂から出ても疑いのまなざし。



「カケルも後輩なんでしょ!?あのカケルが頭いいわけないもん!!」

「人を見た目で判断すんな」

「頭いいくせに不良なわけない…」

「うっせぇな…。ほら、証拠」



見せたのは去年の成績表。



ポカンと口を開けたまま何も言わない。



信じざるを得ない感じだろうな。



だって入学したときから1位だから。



「いつ勉強したの?」

「夜に寝れねぇ、テレビもつまんねぇ。本なんか買わねぇ、ヒマ潰しには教科書しかねぇからな」

「うわっ…。なんかコタローのおかしな性格を垣間見た気分…」

「ガキの頃からだ」

「今も…?」

「何で中学ん時に理解した問題またやるんだよ。それに最近は寝てる」

「なんかもう…コタローがわからない…」



オヤジを待ってた時も。



ヒマ潰しには最高だった。



わかればそれなりにおもしろいし。



「テストヤバいよ…」

「そ」

「他人事!!」

「そりゃあな」

「はぅ~…」



バカなのか、夢羽は。



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