極悪彼氏
だけど渚ちゃんにコタローが会ったら…コタローはどうなるんだろう…。



あたしが知らない、お兄ちゃんと渚ちゃんと過ごした時間に何があったのか。



コタローは渚ちゃんに会えるくらい元気になったんだろうか…。



見た目じゃなく、心が。



「どうなの?最近のアイツ」

「楽しそう…かな?」

「よかった。夢羽のおかげじゃないの~?」

「どうかな。あたしは振り回されっぱなしだけど」

「アイツに振り回されない方がおかしいよ」



そう言って笑った渚ちゃんにも、あたしは幸せになってもらいたいんだけどな…。



浮いた話なんて全く聞かないし。



「渚ちゃん、彼氏は?」

「いらな~い」

「お兄ちゃんがいるから?」

「あたし、想羽以外好きになれないよ。だからこれでいいの」



お兄ちゃん、あたしはコタローを救えたかもしれない。



だけど渚ちゃんのことは救える気がしないよ…。



みんな幸せになってほしいって思うのは、あたしのワガママなのかな?



なんだか少し切なくなった夜だった。



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