極悪彼氏
他人のことより自分の心配しろっての。



スカートから覗くできたばかりの赤い痣。



左頬も赤くなってる。



「誰にやられた?」

「何が?」

「久しぶりにボコられたか」

「られてないもん…」

「ならなんだよ、コレ」

「転んだ…」



ウソつきやがって。



イジメの度を超してる。



夢羽のカラダを傷つけられるのは、俺的に納得が行かない。



でも夢羽はきっと口を割らないと思う。



俺が手を出すんじゃないかと思ってるはずだから。



「夢羽、脱いでみろ」

「ヤダよ!!こんなとこで…」

「じゃあ家帰るか」

「ヤダ!!」

「チッ…」



どうせ痣だらけなんだろ?



弱いお前を守るのは俺の役目じゃねぇのかよ。



「自分でどうにもできないなら俺に言え」

「できるもん!!」

「どうやってできんだよチビ」

「ちっちゃくたってメンタル強いからね」



確かに打たれ強いけど。



だからってやられっぱなしなんて情けなくねぇのか。



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