極悪彼氏
あのテンションはダメだろうな…。



完全にハイになってるよ…。



コタローの部下30人ほどが下であたしの生還を待っていた。



ジャージを履き、覚悟を決める。



「飛んだらデートだからね!!」



下で見守るコタローにそう言ってから後ろに下がった。



やる時はやるんだから!!



走ってダイブ!!



あっ、死ぬかも…。



「キャァァァァ~!!」



カラダに衝撃。



一瞬がこんなにも長く感じたのは初めて。



「プハッ!!」

「ムー!!すげー!!」

「ヤバッ…足着かなっ!!助けっ」



服が重くてあがれない!!



溺れる!!



と、思ったらギュッと抱き抱えられた。



「死ぬかと思った…」

「チビ」

「コタローが飛べって言ったんじゃん!!」

「はははっ!!マジでやんなよ!!ホント飽きねぇ!!」



こんなに楽しそうに笑うコタローを初めて見た…。



濡れた髪からポタポタ落ちる滴がキレイで見とれてしまう。



< 206 / 480 >

この作品をシェア

pagetop