極悪彼氏
ネックレスと涙
【夢羽】



『スゲーカワイイヤツがいんだよ。コタローっつーんだけど生意気でムカつくぐらい顔がいいヤツ』



確かに顔は見たことがないくらい美形だった…。



でもあの目。



光を宿さない冷たい目。



「お兄ちゃんが言ってたコタローと違うぅぅぅ~…」



ベッドに横になり、枕に顔を押しつけた。



あんなに怖い人だとは思わなかった…。



それにコタローに会う目的ばっかりが先走ってて、その後のことなんか全く考えてなかった…。



あたしってバカ…。



「お~い、入学式はどうだった?」

「ママもくればよかったじゃん」

「代表で答辞読んだんだろ?我が娘ながら出来がいいねぇ~」

「答辞なんか読んでないもん…」

「まさかお前…想羽と同じこと言ったわけじゃないだろうな」

「言ったよ~。ついでに校長先生にうるせぇハゲって」

「バカ…」



まじめに生きるのはやめたの。



お兄ちゃんみたいに人生を楽しむんだもん。



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